中高年(ミドル・シニア)のネクストキャリア

 

ミドル・シニアが考える「次の働き方(ネクストキャリア)」

〇 制度面及び高齢者就業確保措置の実施状況から考える

 

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では

高年齢者が年齢に関わりなく働き続けることができる「生涯現役社会の実現 」を目指して

 『 定年制の廃止 』

 『 定年の引き上げ 』

 『 継続雇用制度の導入 』 のいずれかの措置高年齢者雇用確保措置を,65歳まで講じるよう義務付けられました。

 

さらに,令和341日からは,七十歳までを対象として,『定年制の廃止』『定年の引き上げ』『継続雇用制度の導入』と言った雇用による措置や,「業務委託契約の導入」,「社会貢献事業に従事できる制度の導入」のいずれかの雇用によらない措置【高年齢者就業確保措置】を講じる事が努力義務とされました。

 令和3年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果によると, 七十歳までの高年齢者就業措置を実施済みの企業は59377社(24.6パーセント)。 実施済み土地の企業の内訳は以下の通り 。

 

 ① 定年制の廃止9190社(4.0%)

 ② 定年の引き上げ4306社(1.9%

 ③ 継続雇用制度の導入45802社(197%)

 ④ 創業支援等措置の導入79社(0.1%

 

多くの企業が導入している継続雇用制度では、有期労働契約を更新していくことになる。 有期労働契約には以下の三つのルールがある。

 

 1、無期労働契約への転換(労働契約法18条)

 2、「雇止め法理」の法定化(労働契約法19条)

 3、不合理な労働条件の禁止(パートタイム・有期雇用労働法8,9条)

  (※ビジネスガイド20232月号より一部引用)

 

 

 ※なおこのルールに年齢による特例はないので、法違反とならないように労働契約のなかで明確にしておくことが重要になります。

 


 

〇 雇用している企業が法の遵守だけでなく、更に行うべきことを考える

 

 ・活躍の場を用意する 

 ・モチベーションを維持できる職制(人脈と経験、スキルを活かせる)を用意する 

    ・若手社員の指導役(又は相談)の場の設定                  等々が挙げられます。

 

長く勤務することで培ったスキルや知見や人脈を存分に活かせる業務に携わってもらい、成果を生み出す新たな職制と役割を設定することが望まれます。

 

また、一方では嘱託社員自身がプレイヤーとして成果を出すのではなく、若手社員が成果を出せるようにサポートする役割を担ってもらうことも重要です。そのためには、期待する役割やふるまいをしっかり伝え、理解してもらうことが必須条件です。

 

 

またそうした働きを円滑に進めるために、役割の明確化すると共に、モチベーションを維持できるような肩書の用意も重要です。

 

〇 雇用する企業のメリットを考える 

 

 ・再雇用社員の長年営業してきた顧客や取引先等の人脈を期待できる

 ・長年培ってきたスキルや能力を活かし、生産性を維持することが期待できる

 ・人件費を削減出来る (新たな採用の軽費削減と再雇用社員として正規社員よりも安い給与)

 

〇 役職定年、定年退職を向えるミドル・シニアの在り方、取組み方、考え方

 

 ・「状況受容型キャリア」から「自律型・変化対応型キャリア」への転換

 ・キャリアの棚卸しを行い、自己の再評価・自己理解を進める

 ・自身のWill(したいこと)Can(できること)Must(すべきこと、期待されていること)の理解

 

 ・新たな役割認識

 

  ※ キャリアコンサルティングオフイス「シゴト 未来 岡澤」HP参照

 



旬の ≪ 話 題 ≫

 

 2023年度新人社員意識調査

 

一般社団法人北海道中小企業家同友会が今春(2023年)道内各地で開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、とかち、くしろ、道北あさひかわ、函館、オホーツク)の参加者を対象に調査を行いました。参加者の内の「道北あさひかわ」は私たち研究所の拠点でもあり、北海道は私たちの研究対象地域でもあります。この調査だけでは、全国の中小企業に入社された皆さんの意識とはなりませんが、参考データとして活用できると考え、「旬の話題」として掲載いたします。

 

 

回答数 410

 

■ 会社を知ったきっかけ・・・・就職情報サイト(大学卒の半数)

                求人票(高校卒の半数)

                合同企業説明会(Web含む)+インターシップ(20%弱)

 

■ 入社の決め手(複数回答)・・ 仕事の内容(27%)

                職場の雰囲気(23%)

                経営理念(16%)

  ※大学・専門学校卒は「仕事の内容」

 

   高校卒は「職場の雰囲気」を重視する傾向が伺える


■ 働く目的・・・・・・・・・・・お金を得て趣味などを楽しむため(大学卒43%、高校卒44%)

                 創造的に仕事をして自分の人間的成長を図るため(専門学校卒51%、大卒29%、高校卒33%、)

 

■ 今、不安なこと(複数回答)・・仕事をうまくこなせるか(34%、高校・専門学校卒37%)

      上司・先輩・同僚との人間関係(20%)

 

      私生活とのバランス(15%)


■ 自身のあること(複数回答)・・「協調性」「集中力」「忍耐力」「責任感」の順

 

■ 欠けていること(複数回答)・・「積極性」「対人対応力」「体力」「社交性」の順

  ※大学・高校・専門学校別データ不明

 

■ 指導してほしいこと・・・・・・仕事の基本や進め方(41%、)

    専門知識(22%)

    マナーや社会常識(16%)

 

   ※大学・高校・専門学校別データ不明

■ 関心のある社会問題・・・・・・経済問題、教育、社会福祉、人口問題の順

 

▶ 以上の結果から、この調査では

 

       「①コロナ禍を経て就職情報サイト・求人票に依拠した就職活動が主流になったことや

       ②国内外の社会不安の中で生活を守り、趣味など自分らしい暮らしを楽しみ

       ③仕事を通して自己成長を目指したいという、新入社員の傾向が伺える」

    と結んでいます。

                                          「中小企業家しんぶん北海道版第377号」より抜粋引用掲載

 

 


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